
魚・貝のレシピ
ホッケの干物のアレンジレシピ バターのコクがおいしいクリームパスタ
日本古来の保存食「干物」。新鮮な魚を塩漬けし、日干しをすることでうま味が増し、ごはんのおかずにぴったりの一品になります。
焼くだけなので食卓に登場する機会も多いのでは? でも家族の人数分を買おうとしたら1尾多く入っていて余ってしまった、同じ食べ方では飽きてしまうし……なんてことありますよね。干物といえば、和食のおかずというのが一般的ですが、ぎゅっとおいしさがつまったその味わいは、パスタとも相性抜群! 今回はホッケの干物を使ったアレンジレシピをご紹介します。もちろんアジやサンマなどの干物でもおいしくできますよ。
ホッケの干物のクリームパスタ
材料(2人分)
Ø ホッケの干物 1枚
Ø ベーコン 2枚
Ø バター 10g
Ø オリーブオイル 大さじ2
Ø 牛乳 100cc
Ø 生クリーム 50cc
Ø 塩・コショウ 少々
Ø ブロッコリースプラウト 適宜
作り方
1. ホッケの干物をグリルで香ばしく焼き、骨と皮を取り除いて身をほぐす。
2. ベーコンを短冊切りにする。
3. 塩(分量外)を入れたたっぷりのお湯でパスタをパッケージの指定時間の通りにゆでる。
4. フライパンを熱してバターを溶かし、ほぐしたホッケとベーコンを入れ、軽く炒める。
5. 4.に牛乳、生クリームを加え、沸騰する直前で火を止める。
6. 5.にゆであがったパスタを加え、塩・コショウで味を調え、ソースをからめる。
7. 器に盛り、ブロッコリースプラウトを添えてでき上がり。
今回の料理のポイント
干物とは、新鮮な魚を塩水につけ、日干しした加工食品です。身を開き、内臓を取り除いて干す加工法が一般的で、小魚はそのまま丸干しして食べることも。乾燥させることで水分含有量が少なくなり、長期間の保存に向いています。
干物は単なる保存食ではなく、素材をおいしく食べるためにあみだした先人たちの知恵でもあります。日本のほか、さまざまな国でみられる食品加工方法です。
おいしさがぎゅっとつまった干物を焼くだけなんてもったいない! という思いから考案したのがこの「干物パスタ」です。
ヒントになったのは、アンチョビとキャベツのパスタ。塩気が強いアンチョビって、どこか干物の味に似ていると思いませんか?
ホッケの干物にはしっかり味がついているので、味付けはいたってシンプル。少々の塩・コショウと、コク出し用のバターのみでいただきます。クリーミーな牛乳を加えることでさらに濃厚な味わいに。
ホッケのほか、アジやサンマなどでもアレンジができますよ。
干物で美と健康をチャージ!
良質のたんぱく質が豊富に含まれる魚には、認知症防止や記憶力の強化に働きかけるDHA、丈夫な血管を作るFPA、骨を形成するカルシウム、生活習慣病の予防に注目されているタウリン、細胞の再生や美肌効果が期待でるコラーゲンなど、健やかな体づくりに欠かせない栄養素がたくさんつまっています。
魚を干物にすることでこれらの成分はぎゅっと凝縮され、たんぱく質や栄養に優れた魚脂などは2倍以上に増えるともいわれています。
世界の干物
ごはんのおかずの定番であることから、干物は日本独自の加工食品かと思いきや、調べてみると世界中にはたくさんの干物がありました。
アジア、アフリカ、ヨーロッパなど、漁業の盛んな地域では、さまざまなタイプの干物が製造されています。代表的なものをピックアップしてみましょう。
Ø カラスミ
ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させたもの。高級食材として知られ、お酒のおつまみとしてはもちろん、パスタとも相性バツグンです。
Ø バカリャウ
塩漬けしたタラを天日干しにしたポルトガルの保存食。スペイン、イタリアなどのヨーロッパでは大衆的な食材として親しまれています。炒めものやフライ、煮物など、さまざまな料理にアレンジすることができます。
干物の保存方法
保存食というだけあり、干物は鮮魚にくらべて保存がききますが、購入後はできるだけ早く食べきるようにしましょう。
冷蔵庫で長く保存をすると、干物が酸化し、風味が落ちることがあります。干物をおいしくいただくためには酸化防止が必須。食べきれないときはアルミホイルで包み、さらにその上からラップをかけて冷凍を。
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文&写真:ねこ りょうこ
スタイル提案の記事を中心に執筆。モットーは『食べることは生きること』。今日もおいしい食材を求め、日本全国を取材活動中。