
カニのはなし
おしゃれなおもてなし料理「かにのしんじょ」のレシピ
年末からお正月にかけて、遠方に住む家族や親戚が集まるほか、ご近所さんや友人、同僚と来客が多いこの季節。おめでたい席にふさわしい料理でおもてなしをと考えているご家庭も多いことでしょう。
そこで今回は、おせち料理にもくわえることができる、かにで作る真薯(しんじょ)のレシピをご紹介。通常は白身魚を使いますが、はんぺんを使えばとっても簡単。お酒のおつまみにもぴったりですよ。
かに肉たっぷり!しんじょの作り方
材料(3~4人前)
Ø かにのむき身 300g
Ø はんぺん 1枚
Ø 卵白 1個分
Ø 片栗粉 大さじ1
Ø 塩 少々
Ø 揚げ油 適宜
Ø ゆずの皮 少々
作り方
1. かにの殻から身を取り除き、ほぐしておく。
2. 適当な大きさにちぎったはんぺんと卵白、塩をフードミキサーに入れ、粘りが出るまで撹拌する(フードミキサーがない場合はすり鉢でも代用可能)。
3. 2.にほぐしたかにのむき身を入れ、よく混ぜ合わせる。
4. 手に片栗粉(分量外)を付け、3.のすり身を6等分に丸める。
5. 160~170度に熱した揚げ油できつね色になるまで色よく揚げる。
6. 油をよく切る。
7. お好みでゆずの皮や余ったかにのむき身を添え、器に持ってでき上がり。
今回の料理のポイント
ごちそうの代名詞ともいえる「かに」。タラバガニや毛ガニ、ズワイガニなどさまざまな種類がありますよね。今回のレシピで使用したのは、比較的むきやすいタラバガニ。そのまま食べてももちろんおいしくいただくことができますが、ひと手間加えることで、かにの豊かな風味がさらに際立ちますよ。
また、おもてなしの席でお客様にかにをむかせるのを躊躇する場合もおすすめ。むくことに集中するあまり、会話が途切れてしまってはせっかくの席も台無しですよね。
しんじょにすることでひと口料理にもなり、爪楊枝をさせば、おしゃれなフィンガーフードに! おもてなし料理の献立を考える際の前菜としても重宝しますよ。
一般的なしんじょは、白身魚のすり身に細かく刻んだエビやカニのむき身を混ぜて作られますが、手間がかかるというのが難点。主婦にとって忙しい年末年始のおもてなし料理の仕度を少しでも軽減できるようにと、今回は白身魚の代わりにはんぺんを用いてみました。
ふんわりやわらかなしんじょを作るポイントは、はんぺんと卵白を粘りが出るまでよく混ぜること。フードミキサーがあれば短時間で作ることができますが、お持ちでない方はすり鉢でも代用することができます。カニには塩気があるので、味をみながら塩を加えるようにしましょう。
アレンジ自在!かにのすり身
今回ご紹介したレシピは、揚げ物以外にもさまざまなアレンジが可能です。すり身の段階でだし汁に放せばお吸い物に。また、薄口醤油やみりんを加えただし汁に溶き片栗粉を混ぜれば、上品なかにしんじょのあんかけに早変わり。作りすぎた場合は、ひと口大に丸めて冷凍保存を。急なお客様へのおもてなし料理としてはもちろん、鍋の具材にもなりますよ。
「真薯(しんじょ)」とは?
しんじょといえば、上品な味わいの海老真薯(えびしんじょ)が有名ですが、このしんじょ、長い歴史を持つ、日本古来の料理ということをご存知ですか?
今古調味集にはすでに「真薯」という言葉が記されており、「薯」という漢字は薯蕷(やまいも)を指していたようです。やがて、エビやカニなどを混ぜたものを蒸したり、ゆでたりしたものを「しんじょう」と呼ばれるようになったとか。時間に余裕のある方は、伝統的な調理法に習って、すりおろしたやまいもや白身魚のすり身で作るのも楽しそうですね。
豪華なおせち料理とは別に、もう一品欲しいときに便利な、かにのしんじょ。はんぺんを使うことで簡単に作ることができます。お正月のおめでたい席にぴったりな一品をくわえ、おもてなし料理の献立を考えてみてはいかが?
文&写真:ねこ りょうこ