
魚・貝のレシピ
石狩鍋の作り方 北海道の味をご家庭で!
北海道を代表する鍋料理といえば「石狩鍋」。旬の鮭とたっぷりの野菜でいただく、寒い地方ならではの体の芯から温まる郷土料理です。おいしさの決め手はなんといっても仕上げに加えるバターの隠し味。こってり濃厚なスープごとお楽しみください。
石狩鍋の作り方
材料(2~3人前)
Ø 鮭の切り身 4切れ
Ø 昆布10cm
Ø 水 5カップ
Ø 豆腐 1/2丁
Ø 結びしらたき 1/2パック
Ø しいたけ 4枚
Ø ネギ 1本
Ø キャベツ 3~4枚
Ø 春菊 1/束
Ø イクラ 適宜
Ø バター 大さじ1
(スープ)
Ø みそ 60g
Ø みりん 大さじ2
Ø 酒 大さじ2
Ø 和風顆粒だし 大さじ1
作り方
1. 鮭を食べやすい大きさに切る。鍋に水と昆布を入れ、沸騰させる。
2. しいたけは石づきを取って2等分に切る。ネギは斜め切りにする。キャベツをザク切り、春菊は根本を切って葉と茎を切り分けておく。結びしらたきは熱湯でさっとゆでて水を切り、豆腐は食べやすい大きさに切る。
3. ボウルにスープの材料をすべて入れ、よく混ぜる。
4. 沸騰した鍋から昆布を取り出し、3.のスープを半分入れ、鮭、しいたけ、キャベツ、結びしらたき、豆腐を入れる。沸騰したらアクを丁寧に取る。
5. 弱火に落とし、ネギと春菊、残りのスープを加える。
6. 火を止め、イクラとバターを加えてでき上がり。
今回の料理のポイント
石狩鍋のポイントは、みそ仕立てのスープに、隠し味として入れるバターです。「みそバター」は、北海道ではみそラーメンにも加えられるほど、ポピュラーな味付けです。
みそとバターの絶妙な組み合わせは、魚介とも相性バツグン。おいしくいただくコツは、アツアツのみそスープに最後にバターを加えること。余熱で溶け出すバターの風味をお楽しみください。
鮭の皮にはコラーゲンがたっぷり含まれています。煮込む石狩鍋はコラーゲンがスープに溶け込み、おいしく「キレイ」を取り入れることができます。アラを加える場合はさらに効果が得られるので、スーパーで鮭のアラを見かけたら、ぜひ丸ごと調理してみてくださいね。
石狩鍋とは
北海道の郷土料理の代名詞でもある「石狩鍋」。その名の通り、北海道の石狩市が発祥の地といわれています。 本場・石狩市では鮭の身と、中骨や頭などの「アラ」を入れ、鮭を丸ごと1匹、余すことなくいただきます。
一般的な鍋では白菜を加えますが、石狩鍋ではキャベツを入れるのが特徴です。キャベツの甘みがスープに溶け出したその味わいは、冬の北海道の風物詩にもなっています。
スープはみそにみりん、酒、だしを混ぜて作ります。最後に加えるバターのコクが濃厚な味わいを醸し出し、食べ終わったあとにご飯を加えれば、雑炊も楽しむことができますよ。
石狩鍋の歴史
北海道中西部を流れ日本海へ注ぐ石狩川は、昔から鮭が遡上することで知られています。その環境から鮭をふんだんに使った鍋「石狩鍋」が地元に根付いたと考えられています。
もともとは漁師のまかない料理として、みそ汁に獲れたての鮭をぶつ切りにして食したことがはじまりといわれている石狩鍋。それを「金大亭」と「あいはら」という食堂がメニューに加えたことから一般にも知られるようになりました。2つの店は石狩鍋二大老舗店として現在も石狩川河口で営業を続けています。
石狩市を中心に、近隣の街にも広がった石狩鍋は、観光客にも人気を博し、やがて「名物料理」として全国に広がっていきます。
北海道のおいしさをまるごと!石狩鍋でほっこり温まろう
鮭をはじめ、キャベツやバターなど、石狩鍋の具材には北海道を代表する特産物がふんだんに使われています。地域によってはカニやホタテを加えるところもあるのだとか。
基本、石狩鍋の具材に決まったルールはなく、好きな魚介を加えてもOK。キャベツのほか、タマネギやニンジン、大根を加えてもおいしくいただくことができますよ。
北海道の郷土料理、石狩鍋を、この冬のレパートリーにくわえてみてはいかが?
文&写真:ねこ りょうこ
スタイル提案の記事を中心に執筆。モットーは『食べることは生きること』。今日もおいしい食材を求め、日本全国を取材活動中。