
魚・貝のレシピ
ヒラメの昆布〆 ひと手間くわえてお刺身をもっとおいしく!
新鮮なお魚を生で食べる「お刺身」。旬のお魚をお刺身でいただくのは格別ですよね。そんなお刺身に昆布のうま味をプラスした調理法「昆布〆」。おいしさだけでなく、日持ちも良くなることをご存知ですか? ヒラメを使った昆布〆のレシピをご紹介しましょう。
ヒラメの昆布〆 作り方
材料(2~3人分)
- ヒラメ(刺身用)1枚
- 天然塩 少々
- 昆布 2枚(幅10cm×長さ20cm)
作り方
- ヒラメを刺身用に薄く切る。
- 昆布全体にまんべんなく塩を振る。
- 2.の上に1.のヒラメを並べる。
- 3.に塩をひとつまみ程度振る。
- 昆布をフタをするように重ねる。
- ラップでしっかり包む。
- 均一に重しがかかるよう、バッドやまな板などを上に置き、冷蔵庫でひと晩置く。
- 全体が薄い飴色になっていれば食べごろ。
- 器に盛り、お刺身を食べる要領で、わさび醤油でいただく。
今回のレシピのポイント
今回のレシピは、レシピとはいえないほどシンプルです。だからこそ、塩や昆布にはこだわってみましょう。塩は、精製塩よりも天然塩がおすすめです。まろやかな味わいとなり、昆布のうま味を引き立ててくれます。
昆布〆が日持ちする理由
食べきれなかったお刺身を、翌日まで持たせたい場合などにも昆布〆がおすすめです。昆布で締めることで刺身の水分が抜け、日持ちがよくなりますよ。ただし、いくら昆布締めでも3日以上置くのは控えた方がよいでしょう。生のお刺身はできるだけ早く食べるようにしましょう。昆布には魚の臭みた雑味が移っているので、一晩立ったら昆布は捨て、身だけをラップで包み直します。
昆布〆に適した魚
昆布〆はヒラメのほか、タイ、カレイ、スズキでもおいしく作ることができます。適しているのは白身の魚というのが一般なようです。
昆布〆の発祥は富山。江戸時代より北前船で北海道から送られた昆布を大量に消費しており、その利用法の一つとして昆布締めが生まれたといわれています。
調理に合わせて選ぶ、うま味の決め手「昆布」
昆布は産地によってさまざまな種類があります。味や風味もことなるので、調理やお好みに合わせて選ぶようにしましょう。
- 真昆布(まこんぶ)
昆布の高級品といわれる函館沿岸で主に採れる昆布。上品な甘味をもち、だし昆布のほか佃煮、塩昆布などにおすすめ。
- 羅臼昆布(らうすこんぶ)
北海道羅臼町の特産品。香りが良くてやわらかく、濃厚でコクのある高級だしがとれる。しっかりとしたダシを取るお吸い物に適している。
- 利尻昆布(りしりこんぶ)
透明で風味の良い高級だしがとれ、会席料理などに使われる。塩昆布、湯豆腐などがおすすめ。真昆布にくらべてやや固めで、昆布締めにも適している。
おいしい昆布が育つ条件
こうしてみると、高級品とされる昆布は、北海道が産地であることがわかります。昆布の味は、海の地形や海水の状態によって決まります。例えば、真昆布が育つ函館沿岸は、寒暖流が合流すること、たくさんの河川から豊富なミネラルが注ぎ込むこと、遠浅の地形などの好条件が重なることで知られています。全国各地に昆布は生息していますが、身が厚く、うま味成分をたっぷり含んだものは、このような条件がそろった地域でしか育たないというわけですね。
昆布の保存方法
昆布は乾物になるので、長期保存が可能ですが、密閉容器での保存がおすすめです。きちんと密閉しないと、湿気から昆布に水分が移り、カビが発生することもあるようです。
料理のだしに使う場合は、昆布を使いやすい大きさに切り、ガラス瓶やプラスチック容器でしっかり密閉を。保管場所は直接日光を避け、暗所に置きましょう。
昆布〆は、おいしいお魚をすこしでも長く味わいという思いから生まれた先人たちの知恵です。ぜひ、塩や昆布にこだわって、おしい昆布締めを味わってください。
越前かに問屋ますよね 店長兼仲買人 橘高 友樹