「へしこ」の美味しい食べ方 絶品!バーニャカウダの作り方

「へしこ」の美味しい食べ方 絶品!バーニャカウダの作り方

若狭湾に面した豊かな土地に恵まれた福井県。日本海ならではの海の幸が堪能できる、グルメにはたまらないスポットです。そんな福井を代表する名物といえば「へしこ」。

この福井県に伝わる郷土料理は、塩を振ったサバを米糠に漬け込んだ保存食として親しまれています。そのおいしさは全国的にも有名で、最近ではグランドメニューに取り入れている居酒屋もあるとか。


そこで今回は、へしこを使ったイタリア料理「バーニャカウダ」の作り方をご紹介。アンチョビとは一味違ったおいしさをお届けします!

へしこで作るバーニャカウダのレシピ

材料(3~4人前)

  • へしこ 半身分
  • ニンニク 4~5片
  • オリーブオイル 1/2カップ
  • 牛乳 大さじ2
  • アスパラガス 1束
  • キュウリ 2本
  • ニンジン 2本

作り方

1,ニンジン、キュウリをタテ半分に切り、棒状に切る。ニンジン、アスパラをゆでておく。

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2,包丁でへしこの糠を落とす。

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3,半身に切って薄皮を剥ぐ。

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4,胸ビレや骨を取り除き、適当な大きさに切る。

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5,ニンニクをみじん切りにし、オリーブオイルと混ぜておく。

6,フードミキサーに4.と5.を入れ、牛乳を加えてなめらかになるまで撹拌する。

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7,6.を小鍋または耐熱皿に移して火にかけ、混ぜながら弱火で温める。

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 小さな卓上コンロがある場合は、固形燃料で温めながら食べる。

8,野菜を皿に盛り付け、7.にデイップしながらいただく。

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今回の料理のポイント

バーニャカウダとは、イタリアのピエモンテ地方を代表する野菜料理です。「バーニャ」はソース、「カウダ」は熱い、という意味をもち、温めたソースにお好みの野菜をデイップしていたただきます。

「山の麓」という意味のピエモンテ地方ですが、ティレニア海の新鮮な魚介類が手に入るため、魚を使った料理もたくさん食べられています。

本場ではカタクチイワシを塩漬けにした「アンチョビ」を使用しますが、風味がよく似たへしこでチャレンジ! 日本とよく似た地形をもつイタリア料理が越前若狭の名物、へしことマッチするのも納得ですね。

 

福井の郷土料理がおしゃれなイタリアンに大変身します。キュウリやニンジン、アスパラガスのほか、ゆでたカボチャやカブ、ブロッコリー、カリフラワーなどもよく合います。旬の野菜をたっぷりいただけるのもバーニャカウダの魅力です。

ごはんのおかずにもおつまみにも!へしこの魅力

その昔、若狭湾で水揚げされた魚介類は「若狭もの」と言われるほど珍重されていました。なかでもサバのおいしさは有名で、京都まで運んだその道は「サバ街道」と呼ばれていたそうです。

水揚げされたサバに塩を振り、米糠に漬けたへしこは、長期保存するための保存食として作られていました。その歴史は深く、江戸時代中期にはすでに作られていたと言います。

丁寧に漬け込まれたサバは夏場の暑さを越え、約1年の歳月をかけておいしいへしこになります。

名前の由来には諸説ありますが、塩漬けにした魚から浮き出してくる塩汁「ヒシオ(干潮)」が転じたという説と、樽にサバを押しこむ福井の方言「へし込む」が訛ってへしこになったという2つの説が有力です。

 

へしこは通常、糠を落とさずそのまま焼いていただきます。これが白いごはんと相性抜群! お好みで糠を落として刺身で食べたり、お茶漬けにしたりするのもおすすめです。もちろん、お酒のおつまみにもぴったりですよ。

また、サバに含まれるDHAやカルシウム、ビタミンDは脳や神経組織の発育、美しい肌や丈夫な骨の形成に働きかけてくれます。糠のビタミンや酵素が加わることで、ダイエットにも有効。

魅力いっぱいのへしこをご家庭でぜひご賞味あれ!

今回使用した「へしこ」はこちら

文&写真:ねこ りょうこ

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スタイル提案の記事を中心に執筆。モットーは『食べることは生きること』。今日もおいしい食材を求め、日本全国を取材活動中。

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