魚・貝の調理方法
ホヤのさばき方。お酒のおつまみにぴったりな夏の珍味
東北三陸地方を代表する夏の味覚「ホヤ」。その見た目から「海のパイナップル」とも呼ばれる大人の珍味です。甘さの中にあるほろ苦い味わいは、お酒のおつまみにぴったり!
キュウリやワカメと合わせて酢の物にしたり、刺し身で食べたりするのが一般的です。
むき身でも売られていますが、ホヤが旬を迎える夏はおいしさがぎゅっとつまった殻ごとを調理しましょう! とはいえ、その姿かたちからはまったく想像ができないさばき方。
中に入っているうま味成分「ホヤ水」を逃さないさばき方をご紹介します。
おいしいホヤの見分け方
その不思議な見た目や、強い磯の香りが特徴のホヤ。昔から東北地方ではよく食べられていましたが、今では全国的に知られるようになりました。ホヤは夏に旬を迎える天然物のほか、養殖も盛んに行われています。
天然物は突起が多く、全体的にゴツゴツしているのが特徴。養殖物は天然物に比べて大きく、突起が少ないのですぐに見分けることができますよ。
おいしいホヤは、天然、養殖ともに殻にツヤと光沢があり、太っているもの。殻がパンパンに張っているものを選びましょう。
ホヤ水とは?
ホヤの殻の中にある水のことを「ホヤ水」と言います。このホヤ水と殻筋膜を食用にします。さばいた身をホヤ水につけて食べると磯の香りが引き立ち、格別なおいしさに! ホヤ水は捨てずにボウルにとっておきましょう。
使用する道具
- よく研いだ包丁
- まな板
- ボウル
ホヤのさばき方
見た目も不思議なら、さばき方もちょっと特殊なホヤ。殻のゴツゴツした突起には「+(プラス)」と「-(マイナス)」の模様があります。
こちらがプラス
こちらがマイナス
ホヤのプラスは入水孔で、海水とエサを取り入れます。出水孔となるマイナスは、海水、排泄物、卵や精子を排出します。まずはホヤのプラスとマイナスを確認しておきましょう。
1,水洗いをして表面の汚れを落とす。
2,ボウルの上でプラスの突起を包丁で切り落とす。ホヤ水が吹き出すことがあるのでこぼさないように注意を。
3,水(ホヤ水)が出てくるのでボウルにとっておく。
4,切り落とした突起物のあたりに包丁の刃先を当て、殻にタテに切り込みを入れる。
5,殻と身の間に指を入れ、身をひっぱり出す。
6,身を切り開き、内臓を取り除く。手で取れない場合は、包丁で身を割いて取り除く。
7,水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を切る。食べやすい大きさに切り、酢の物や刺し身でいただく。
さばき方のポイント
上でご紹介したように、ホヤには2つの突起物があります。あやまってマイナスを切り落としてしまうと、排泄物がホヤ水に混じってしまうので、必ずプラスの突起を切り落とすようにしましょう。
見た目はちょっとグロテスクなホヤですが、一度食べるとやみつきになることうけあい! 東北三陸地方の夏の風物詩を、ぜひご家庭でも味わってみてくださいね。