
福井のうまいもん
福井の名産「へしこ」のおいしい食べ方
味噌や醤油、かつお節、日本酒、焼酎、納豆、ぬか漬けなど、日本の伝統食品は「発酵食品」と深い関わり合いをもってきました。水産物では、「いかの塩辛」や「くさや」「ふなずし」「かぶらずし」福井の「へしこ」など、全国各地で数多くの伝統発酵食品があります。
福井の「へしこ」の歴史
「へしこ」は、魚をぬか漬けにした越前地方の伝統食品です。江戸時代の中期には、魚を長期保存するための保存食として「へしこ」作りがはじまっていたといわれています。イワシやイカ、フグなどの「へしこ」もありますが、現在では「鯖のへしこ」が最も多く生産されています。
「へしこ」の名前の由来は、二つの説があります。一つは、魚を押し込むことから「へし込む」がなまって「へしこ」になった説。もう一つは、塩漬けにした魚からでる塩汁「ひしお(干潮)」が転じて「へしこ」になったという説です。
「へしこ」の栄養とおいしさ
「へしこ」は、鯖を発酵により熟成させることで、うま味が増します。しかも、生の鯖と比較した場合、アミノ酸が2.5倍、血圧の上昇を抑える働きがあるペプチドは5倍もの量が含まれていることがわかっています。他にもDHA(ドコサヘキサエン酸)などの、健康成分が多く含まれています。地元の福井では、夏バテの食材としても人気です。
「へしこ」のおいしい食べ方
「へしこ」は、ご飯のお共や日本酒などの酒の肴としても人気ですが、その深い味わいからパスタなどの料理法もおいしいです。
ご飯に合う「へしこ」のあぶり
鯖の香りとぬかの香り、炙ることで生まれる芳ばしい香りが魅力です。アツアツの白ご飯やお茶漬けにぴったりです。
- 魚についているぬかを軽く落とし、適当なサイズに切ります。
- ぬかが焦げつかないように軽く焼きます。
酒の肴に「へしこ」のさしみ
生のままで「へしこ」のうま味を味わいます。お酒のおつまみとして最適です。
- ぬかをよく落として水で洗います。
- 身をスライスにして、レモンをしぼったり、大根のスライスをはさむとサッパリといただけます。
風味豊かな「へしこ」のパスタ
イタリアの伝統的な家庭料理「アンチョピのパスタ」のアンチョビは、イワシの塩辛(発酵食品)です。「へしこ」を使って風味豊なパスタを作ります。
材料(2人前)
- スパゲティ~200g
- へしこ~30g
- にんにく~1片
- 赤唐辛子~1本
- 玉ねぎ~4分の1個
- オリーブオイル~大さじ2
- 塩こしょう~適量
つくり方
- へしこのぬかと骨をとり除き、身をほぐします。
- 玉ねぎとにんにくはみじん切り、赤唐辛子は種をとり輪切りにします。
- スパゲティをゆでます。
- フライパンにオリーブオイルを入れて、(2)のにんにくと唐辛子を入れます。
- にんにくの香りが出てきたら、(2)の玉ねぎと(1)のへしこを入れて炒めます。
- ゆで上がったスパゲティを(5)に入れて混ぜ合わせ、塩こしょうで味を整えます。
ビールやワインにも合う「へしこ」のピザ
アンチョビの代わりにほぐした「へしこ」を使います。トマトソースとの相性もぴったりです。
福井のスローフード「へしこ」
福井の人々に親しまれてきたスローフード「へしこ」。そのおいしさだけでなく、健康面でも全国にファンが広まっています。
参考: