腸すっきり!とろろ昆布の栄養についてとおいしい楽しみ方

腸すっきり!とろろ昆布の栄養についてとおいしい楽しみ方

「海の野菜」と呼ばれる海藻類。昆布は、日本人に親しまれている海藻類の1つです。昆布を食べる歴史は古く、縄文時代から食べられていたといわれています。昆布は、日本料理に欠かせない食材ですが、日本人の健康を守ってきた「長寿の食材」でもありました。今回は、昆布のうま味と栄養をまるごと楽しめる、とろろ昆布の魅力を紹介します。

お腹の調子を整える食物繊維

体に必要な栄養成分として、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素が知られていますが、第6の栄養素として「食物繊維」が注目されています。食物繊維の重要な役割は、腸内細菌である「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスを改善し、腸内環境を整える効果にあります。

食物繊維は大きく分けて、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性食物繊維は穀類、野菜、豆類、エビやカニの表皮に含まれ、水溶性食物繊維は昆布やわかめ、果物などに含まれています。水溶性食物繊維は、腸内のビフィズス菌を増やしたり、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、余分なコレステロールの吸収を抑える効果があります。

昆布の食物繊維は、ごぼうの約5倍(100gあたりの数値)、さつまいもの約8倍(100gあたりの数値)も含まれています。特に昆布のヌルヌル成分には、水溶性食物繊維のアルギン酸とフコイダンが豊富です。

他にも昆布には、女性に不足しがちなカルシウムが、牛乳の約6倍(100gあたりの数値)も含まれています。お子様の生育を促進するヨウ素は食品中トップレベル。アルカリ性食品なので、肉食などで酸性に偏りがちな男性にもぴったりの健康食材といえるでしょう。

うま味の相乗効果で、もっとおいしく!

甘み・酸味・塩味・苦味・うま味の基本味の中で、「うま味」はおいしさを感じさせる重要な味です。うま味物質には、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などがあります。グルタミン酸は昆布、イノシン酸は魚や肉類、グアニル酸はきのこ類に多く含まれています。

うま味は、1つのうま味成分よりも、異なるうま味成分を合わせることで、うま味の相乗効果を引き出すことができます。例えば、一番だしでは、昆布のグルタミン酸と、かつお節のイノシン酸が合わさると1+1=2ではなく、7?8倍のうま味になることがわかっています。和食は、昆布だし、かつおだし、煮干しだし、しいたけだしなどを組み合わすことで、味わい深い料理を作り出しています。

昆布のおいしさと栄養を、まるごと楽しむ

その昆布の代表的な食べ方である「とろろ昆布」は、酢に漬けた昆布を糸状に細く削ってつくります。椀に浮かべると「とろり」と溶けることから名前がついたといわれています。昆布のうま味は、味の満足感が得られるので、塩分をひかえた薄味でもおいしく感じることができます。

とろけるおいしさ「とろろ昆布のおにぎり」

醤油とみりんで味付けしたかつお節を具にしたあつあつおにぎりを、とろろ昆布で包みます。かつお節のイノシン酸ととろろ昆布のグルタミン酸でおいしさが倍増です。しいたけのつくだ煮とも相性抜群です。

深い味わいと香り「とろろ昆布のお吸い物」

とろろ昆布を入れた椀にかつおだしを入れ、醤油を少々たらします。昆布とかつおの「香りとうま味」のハーモニー。素材のよさを追求する、和食の原点が味わえる一品です。

昆布だしのうま味と、昆布の栄養をまるごと楽しめる「とろろ昆布」。「朝食はご飯」という方のみそ汁の代わりや、「ひと味足りないかな?」と思ったときの醤油の代わりなど、「腸おいしい」とろろ昆布を活用してみませんか?


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