スルメなのになぜアタリメ?旬のスルメイカのおいしい食べ方

主要国の国民1人あたりの魚介類供給量と平均寿命をみると、魚介類供給量が多い国ほど平均寿命が長い、という統計資料があります。日本が世界一の長寿国である理由のひとつとして、魚食文化が大きな要因だと言われています。なかでも「イカ」「サケ」「マグロ」は、日本人の魚類消費量の上位を占めています。

日本近海では、数多くある種類のなかでスルメイカが最も多く漁獲されています。今回は、昔から日本人に親しまれてきたスルメイカの魅力を紹介します。

呼び名の多さは、愛されている証

スルメイカの名前は、スミをはくイカの群れ「墨群(すみむれ)」が転じて呼ばれるようになったといわれています。居酒屋などの飲食店で「スルメ」が「アタリメ」と呼ばれるのは、お金を使い果たす「擦る目(スルメ)」に語感が似ていることから嫌われ、代わりに縁起を担いで反対語の「当たり目(アタリメ)」が使われるようになったといわれています。

「スルメ」は、結納の品として子宝を願う縁起物として扱われ、「寿留女(するめ)」の当て字を用いられます。他にもスルメの足が多いことから、お金を意味する「おあし」をかけて、商売繁盛の縁起物として利用されることもあります。

日本中で漁獲されるスルメイカは、長崎・下関では「マツイカ」、北海道・三陸では「マイカ」、伊豆では「ムギイカ」など、いろいろな呼び名があります。

スルメイカの旬と、したたかな生き残り戦略

一年を通して漁獲されるスルメイカは、産まれた時期系統により「秋に産まれる系群」「冬に産まれる系群」「夏に産まれる系群」の3つのグループがあります。なかでも「夏イカ」と呼ばれるように、水揚げが一番多い夏が旬といわれています。

3つのグループがあるのはスルメイカの寿命が1年であることに関係します。すべてのスルメイカが同じ時期に産卵すると、海の環境変化によって全滅する可能性があります。スルメイカは、産卵時期をわけることで絶命のリスクを分散しているのです。

長寿の秘訣、スルメイカの栄養

スルメイカに多く含まれるEPA(イコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、動脈硬化や脳卒中などの循環器系疾患の予防効果があるとされています。タンパク質の栄養価の基準となる「アミノ酸スコア」も高く、良質なタンパク源となっています。栄養剤の成分にもなっている豊富なタウリンは、コレステロールの低下作用や肝機能の強化作用があるといわれています。

スルメイカのおいしい食べ方

新鮮なイカを見分けるには、表皮の色が濃く斑点などがはっきりと残っていること、目がきれいな黒色であること、すこし触ると色がスゥーと変わることなどが挙げられます。イカの味は冷凍してもおいしさを保てる、という特長があります。新鮮なスルメイカを手に入れれば、冷凍保存して好きなときに刺身で食べることができます。

刺身は切り方で味が変わる

イカの身には、筋繊維の走っている方向があります。イカリングは筋繊維に沿った切り方をします。また、この切り方は食感を生かす「いかそうめん」にも向いています。筋繊維の方向を垂直に切ると、イカのうま味を生かした「お造り」などになります。

スルメイカの塩辛

スルメイカをさばいて肝と身にわけます。つぶした肝に塩を混ぜ、食べやすいサイズに切った身を漬け込みます。冷蔵庫で保存し、1日1回かき混ぜて、3日~5日ぐらいで食べることができます。早めに食べ切りましょう。

熱々イカリング

スルメイカをリング状に切り、おろしニンニクとしょう油で下味をつけます。小麦を薄くまぶし、溶き卵にからめてパン粉をしっかりつけ、180℃の揚げ油でこんがり揚げます。軽く塩をふってレモンをしぼったり、マヨネーズや好みのソースをつけたりしていただきます。

他にもしょう油とみりんで「イカ焼き」や、オリーブオイルでニンニクの香りを出してから炒めたイタリア風、ショウガとニンニクで炒めた中華風など、いろいろな料理が楽しめます。さっそく今夜の食卓にいかがですか?

 

参考:

  • スルメイカの系群と寿命 独立行政法人水産総合研究センター

http://abchan.job.affrc.go.jp/doukou/column/column03.html

  • イカの栄養と機能成分 全国いか加工業協同組合

http://www.zen-ika.com/ika/ika-eiyo.html

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